「任意売却とリースバックの関係について」
リースバックとは簡単に言うと、
「自宅の所有権を売買により第三者に移転し、その第三者に家賃を支払うことによって、家に住み続けること」
です。
つまり、住み続けられる、と言っても、自分の所有物ではなくなり、考え方としては、一般の賃貸物件を借りる時と同じです。
敷金も家賃も発生しますので、住宅ローンの支払いと同等、又はそれ以上の支払いになる可能性もゼロではありません。
貸す側にとっても、任意売却になるような賃借人は(大変失礼な表現で申し訳ございません)、家賃滞納リスクがあると考える為、保証会社への加入又は強力な連帯保証人を立てることを求めることが通常です。
また、貸す側にとっても、メリットがないとリースバックはしません。
一般的には、「利回り(=年間収入÷購入価格)」が、投資金額に見合うかどうかを判断します。
利回りは、物件所在地や築年数、マンションや戸建などの種別などによってマチマチですが、一般的には6~8%程度を求められます。
つまり、あまりにも利回りが低い(=家賃が低い)となると、その物件をリースバックしてあげる意味がない、強いては、その物件を買う意味がない、ということになる為、賃料は市場価格に見合った適正価格になるでしょう。
まず、そのことを知っておく必要があります。
・家族の思い出がつまった家にこのまま住み続けたい。
・今は住宅ローンを払えず代位弁済されたけれども、何とかこのまま住み続けられないか?
こういった考えをされる方は、任意売却の現場に携わっていると結構ありますが、リースバックが成立する可能性があるケースは、簡単に言うと以下の通りです。
①適正賃料を支払うことができ、買主の適正利回りが確保できること。
②買主が親族等で、利回りをあまり気にしないこと。
③住宅ローンの滞納額が少額の為、安く売却しても債権者が全額回収できる。
それ以外は、余程イレギュラーなことが無い限り、まずリースバックは厳しいと思います。
ホームページで「リースバック・任意売却」などで検索すると、結構「うちはリースバックやりますよ!」と謳っている会社がありますが、実際は上記のように、
適正利回りが確保できるくらいの安価な購入価格、家賃設定が求められる為、特にオーバーローンの場合は、実現は困難である
と言えます。
オーバーローンの場合、
リースバック条件で売却すると利回りの考え方の元では安価な売却価格になってしまい、滞納した住宅ローンを少額しか回収できません。
よって、
任意売却の売主は通常通り退去、引越しをし、空の状態にして、高く家を売却してください。
という理屈のもと、債権者から断られるでしょう。
このように、任意売却でリースバックをすることは可能ではありますが、様々な条件、ハードルを乗り越える必要がある為、成立するケースは稀です。
もちろん可能性はゼロではありませんので、まずは弊社にご相談ください。
様々な可能性を探っていきましょう!
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