近年、空き家から出火したというニュースが増えつつあり、火事そのものが増加傾向にあることがわかりました。
誰もいないはずなのに、なぜ火事が起きるのでしょうか?
この記事では、空き家で火事が起きる原因とその対策、物件所有者にかかる責任などをご紹介したいと思います。
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空き家火災の出火原因とは?
まずはなぜ誰も住んでいない家で火事が起きるのか、その原因のなかでも多いものを見ていきたいと思います。
放火件数は全国で毎月数百件にのぼる
一番多い原因は、なんといっても放火による出火です。
その件数は年々増えており、2018年には年明けからの3か月間だけで前年1年間の放火件数と並ぶほどに急激に増えました。
数にすると1か月あたり約470件にもなります。
これだけの件数の放火があるということは、誰も住んでいない家もターゲットになり得ることはおわかりいただけるかと思います。
ガス漏れや配線トラブルやタバコのポイ捨ても
次に多い原因として、ガス漏れや電気の配線トラブルが挙げられます。
ガス漏れや電気の配線トラブルの場合は、点検を怠ってしまったことによる老朽化や、埃が原因となるものも多いようです。
また意外なところでは、電気の配線をネズミがかじってしまい火種ができることも実際にあるようです。
そのほか、放置している庭にタバコがポイ捨てされ、伸び切った雑草に引火して火事が起きるということもあります。
毎日忙しい身だとなかなか手入れができないと思うので、要点をおさえて管理するようにしましょう。
火災が発生しやすい物件の特徴
特徴はズバリ、管理不足からくるものです。
とはいえご自身が住まわれているわけではない物件ですので、なかなか管理が行き届かないのも当然のことと言えます。
どんな家がトラブルに巻き込まれやすいのか、その具体的な特徴を挙げていきましょう。
まずは普段から住人がいないことがわかるようにまったく人の気配がせず、また灯りがついていない家は狙われやすくなります。
また、近くにほかの家がなく、人の気配がないために家の様子が簡単に覗けたり、門扉やドア、窓の施錠がされていなかったりするような家は当然のようにターゲットになりやすくなります。
火事以外にも、ゴミの不法投棄や野良猫・野良犬の溜まり場になることもありますので、注意が必要です。
空き家火災に効果的な対策
では、空き家の火災事故を防ぐにはどうすれば良いでしょうか。
その効果的な対策法を見ていきたいと思います。
徹底的な管理
何よりもまず大切なのは、物件の徹底的な管理です。
普段住んでいないため、なかなか手が回りにくく後回しにしてしまうことも多いはずですが、先ほどもお伝えしたように、管理不足がトラブルを招く大きな原因となります。
たとえば、きっちりとした管理がおこなわれていることをアピールするように、物件に立て看板などを置いて「管理者がいる」ことを記載しておくのもよ良いでしょう。
また、ご近所にお住まいの方とコミュニケーションをとっておき、何か不審な動きがあった場合にはすぐに連絡をしてもらう体制をとっておくと安心です。
頻繁に訪れることが難しくても、できることから1つずつ始めていくようにしましょう。
管理の基礎である戸締りと片付け
そのほかにも忘れがちになることで、重要なポイントをご紹介します。
まずは門扉を開けっぱなしにしない、玄関や窓の鍵を必ず施錠するといった戸締りに関することです。
戸締りなんて当たり前じゃないかと思われる方も多いと思います。
しかし意外なことに、空き家の場合施錠がされていない物件も多いのです。
家のなかに家具など家財道具を置いていないため、とくに気にせず普段から施錠していないケースや、空気の入れ替えなどで訪れた帰りに、施錠し忘れてそのまま帰宅してしまうなどのケースもあるようです。
また、庭先に物を放置しておかず片付けることも必要です。
新聞紙や雑誌など、燃えやすいものの場合は火災につながっていきます。
また、たとえばバケツのような掃除道具でも、放置しておくことで汚れが溜まり、一見して「管理の行き届いていない家だ」ということがわかるようになるため危険です。
そのような場合は、庭に物置などを設置して、そのなかに片付けるようにしましょう。
空き家をそのまま放置するメリットはない
住む予定がないのに所有していると、先に挙げたようなトラブルに見舞われる可能性がありますし、それを防ぐためには管理の手間も増えてしまいます。
また他にも、維持費として固定資産税などの費用が毎年発生し、不要な支出が増えることにもなりかねません。
お困りのことが多いようであれば、手放すことも1つの手だとして検討してみるのも良いかもしれません。
火災発生時に物件所有者に課される責任とは
お持ちの空き家で、万一火災が発生してしまった場合の責任問題についてはどうなるのでしょうか?
気になる点をまとめていきたいと思います。
失火責任法で定められている内容
日本には「失火責任法」という法律があります。
失火とは、過失によって火事を起こすこと、もしくは過失によって起きた火事そのもののことを言います。
つまり空き家を放火された場合、その物件所有者にとっては故意に発生させた火事ではなく、過失によって起きた火事であり、失火と捉えることになります。
そして失火の場合は、原則的には損害賠償責任は問われないと定められています。
しかし、あくまでもそれは「原則的に」であり、例外も存在します。
損害賠償責任が問われる場合
いったいその例外とはどんなことなのでしょうか。
その答えは、とても曖昧な表現になってしまいますが、法律上では「失火者(物件の所有者)に重過失があった場合には、この限りではない」と謳われています。
つまり、なんらかの措置を怠っていたが故に起きた放火だと認定された場合には、所有者には損害賠償など重責を課せられるというわけです。
しかしこの「重過失」というのがわかりにくく、明確な基準が示せるものではありません。
なぜならば、その事故・事件ごとに事情が異なるものですので、法律家の方々が都度審議し、決めて行くことだからです。
しかし、それでは不安ばかりが先行すると思いますので、あくまでもありがちなことの参考の範囲としてですが、例を挙げたいと思います。
たとえば物件の施錠をせずに放置し、誰でもが勝手に出入りできる状態で放置をしていたとしましょう。
そこに学生が入り込み、隠れて吸っていたタバコの火で火災が起きてしまった場合で、隣家まで巻き込んでしまったとしたら、隣家に対しての賠償責任が発生する可能性があります。
これは管理不足が原因と考えられるためですが、このような場合には多額の損害賠償が発生する可能性があります。
火災保険には入れないの?
保険会社はリスクがある物件の保険加入は認めてくれないケースがほとんどです。
つまり管理不足がわかる物件には、加入は認めてもらえないと考えておきましょう。
もちろん加入できることもありますが、人が住んでいる物件よりも火災・風災・水災・盗難などのリスクは当然ながら上がります。
リスクが高い分、保険料も高額になることを覚悟しておくほうが良いでしょう。
まとめ
空き家で起きる火災について、その原因や対策をまとめてお届けしました。
日頃接する機会のない持ち家は、管理も怠りがちになるのは当然です。
費用も手間もかかるならば、手放すことにも検討の余地はあると思われますので、一度ご家族でお話し合いをされてみてはいかがでしょうか。
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