「第5話」土地の評価方法で節税できる
相続税を計算する上で「土地をいくらの金額にするか」という作業のことを「土地の評価」と言います!
相続税の土地の評価は、考え方が非常に複雑です。
初めてご自身で相続税申告をしようとお考えの方が、諦められる理由の1位は「土地の評価がわからない」という理由なんです。
さらに土地の評価は「正しいか間違っているか」だけでなく、「有利な規定を使って節税しているか」という視点が重要です!
弊社が大事にしていることは2つ。
①可能な限り土地にかかる相続税を減らす
②相続人が公平になる遺産分割を行う
この2つを満たす相続をサポートさせていただきます!!
「土地の評価方法の基本」
土地に対する相続税は、簡単に説明しますと「土地の評価額×税率」で計算されます。
税率は財産総額で自動的に決まってしまうものですので、コントロールすることはできません。
しかし「評価額」の方はやり方次第で大きく下げることができます!
評価の基本は下記の方式で計算されます。
①路線価方式・・・ 土地が面している道に「路線価」という金額を国が付けています。
「路線価」とは、路線価が付された道路に接している土地の「1㎡あたりの金額」のことで、毎年7月に国税庁から発表され、国税庁のホームページに公表されています。通常、公示価格や売買価格の8割になるように計算されています。路線価方式で評価する場合は、
「評価額=路線価×土地の面積(㎡)」
で求めます。
②倍率方式・・・市街地には路線価が付されますが、郊外になると路線価が付されていない土地があります。このような場合は、
「評価額=固定資産税評価額×倍率」
で求めます。
ちなみに固定資産税評価額とは、毎年市町村から送付されてくる「固定資産税課税明細書」に記載されています。
倍率は国税庁のホームページに住所ごとに細かく公表されています。
この2つの計算方法が相続税の土地の評価額を求める基本です。
正方形の土地や、正方形に近い形の土地はこの方法で計算します。
が…
もちろん現実的には土地の形がいびつなことの方が多く、また周囲の環境によって利用価値が下がる土地もあります。
そういった場合、正方形の土地と比較すると利用しにくいので、土地の評価額を低くしておかないと税制上不公平になります。
そこでいろいろな「評価額を下げる特例」が決まっているのです。
また第3話でも述べた「小規模宅地の特例」を使うことは、土地に対する相続税を下げる節税の中でも最重要のものです。
小規模宅地の特例の要件を知ったうえで、遺産分割をしたり、納期限までの土地の使い方を決めることで大きく税金が変わります!
ここでは小規模宅地の特例以外で「土地の評価が下がる場合」をご説明します。
①正方形、又は長方形以外の土地は「不整形地」になり評価が下がる可能性あります。
土地が面している道路が曲がっていたり、隣の土地の境界がいびつであったりすると土地の形はいびつになります。
土地の評価額に「×0.6~×0.99」をして計算した結果を評価額とすることができます。
②「間口の狭い土地」は評価額が下がる可能性があります。
道路に面している距離が短い土地、いわゆる「間口が狭い土地」は、綺麗な形の土地と比較すると使い勝手が悪くなります。
そこで、間口の長さと、土地の区分(住宅地や繁華街など)を考慮して、「×0.8~×0.99」をして計算した結果を評価額とすることができます。
③「間口と奥行きのバランスが悪い土地」も評価額が下がる可能性があります。
間口の距離と比較して、奥行きが極端に長い土地も使い勝手は悪くなります。
「土地の奥行の長さ÷間口の長さ」で求めた値と、土地の区分(住宅地や繁華街など)を考慮して、「×0.9~×0.99」を計算した結果を評価額とすることができます。
④標準的な土地と比較して、「奥行きが短い土地や長い土地」は評価額が下がる可能性があります。
間口の距離と関係なく、奥行きだけを考えても土地の評価額が下がることがあります。
奥行き距離と地区区分(普通住宅や中小工場など)に応じて、「×0.8~0.99」を乗じて計算した結果を評価額とすることができます。
たとえば普通住宅地であれば、奥行きが10メートル未満か、24メートル以上であれば評価額が下がります。
⑤「路線価が設定されていない道路に面する土地」は特殊な評価ができます。
住宅地では行き止まりの道に接している家がよくあります。
こういった住民用の行き止まりの道には路線価が設定されていないことがあり、そういった場合は納税者が個別に路線価を決めて税務署長へ設定の申し出をすることになります。
こういった路線価を「特定路線価」と言い、私道の場合は評価ゼロになります。
自分の土地であっても、不特定多数の人が通り抜け道路のように使う土地があれば、その土地は評価額をゼロとすることができます。
⑥「敷地の一部が傾斜している土地」は評価額が下がる可能性があります。
坂道に造成した住宅地では、玄関までに階段があるような形状の土地があり、こうした形状の土地では、傾斜面が使用しにくい土地ですので、その分評価額が下がります。
総地積に占める傾斜地(がけ地と言います)の割合と、がけ地の方位(東西南北)に応じて、「×0.53~0.96」を乗じて計算した結果を評価額とすることができます。
⑦「幅が4メートル未満の道路に面している土地」は評価額が下がる可能性があります。
幅が4メートル未満の道路に面している宅地は、建物を建て替えるときに土地の一部を道路にしないといけない場合があります。
こういった土地の一部を道路にすることをセットバックと言います。
セットバックをしないといけない土地は、土地全体のうち、道路にする部分に該当する土地の評価額を「×0.7」することができます。
⑧「貸している宅地」は評価が下がる可能性があります。
相続した土地の上に他人が家や工場を立てて借地として地代をもらっているようなケースがあります。
こうした土地は、名義は相続人のものになっても、土地の上に他人の建物があれば自由に使うことが不可能になります。
このような土地を借地権が設定された土地というのですが、借地権が設定されていると土地は「×0.1~×0.7」の評価減を受けることができます。
⑨「土地の上にアパートやマンションを建てている土地」は評価が下がります。
土地の上にアパートや賃貸マンションを建てて、人に貸している場合は土地の評価額が下がり、節税方法の一つである、「アパマン節税」とも言われるものです。
評価減をされる割合は、入居者の入居状況や国が定めた借地権割合、借家権割合などに応じて変わりますが、おおむね「×0.73~0.99」を乗じた金額となります。
その他、下記のような土地で「著しく利用価値が低下している」とされる土地
・近くの道路より著しく高低差がある土地
・日のあたらない土地
・墓地の近くにある土地
・高圧線が上を走っている土地
・地盤に甚だしいデコボコのある土地
・線路の近くなどで騒音や震動が激しい土地
こういった土地は、単純に該当すれば適用があるというわけではありませんが、不動産販売の価格などで大幅に安くなっている場合などに認められます。
「いつか来る相続に備えて確認しておきたい。」
弊社ではこのような要素をお客様ごとにお聞かせいただき、「何を」「誰に」「どれくらい」相続してもらうことが一番有利になるか、その「目安」をシミュレーションさせていただきます。
具体的ではないけど、自分の代で苦労しないためにしておけること…など、
当社独自のネットワークを活用し、多種多様なニーズをサポートいたします!
まずは下記「お問い合わせフォーム」より、無料相談へお気軽にご相談ください。
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さて土地の評価方法での節税策も、何となくご理解いただけたと思いますので、第5話はこの辺で…。
次回は「相続時精算課税制度は節税にならない?」についてお話します。
どうぞお楽しみに!
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