賃貸管理

賃貸借契約とは?自主管理における賃貸借契約書の必要性を解説

賃貸借契約とは?自主管理における賃貸借契約書の必要性を解説

物件の管理を自分でおこなう自主管理には、委託費用がかからないというメリットがあります。
ただし、難しい手続きや書類の作成も自分でおこなわなければなりません。
なかでも賃貸借契約書の作成はハードルが高く、内容次第では後々大きな問題に発展する可能性があります。
この記事では、自主管理における賃貸借契約書の作成方法や自分で作成するデメリットについて解説します。

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自主管理における賃貸借契約:賃貸借契約書の必要性とは?

自主管理における賃貸借契約:賃貸借契約書の必要性とは?

はじめに賃貸借契約とは何か、賃貸借契約書がなぜ必要なのかを解説します。

賃貸借契約とは?

賃貸借契約とは、物件を借りる際に大家さんと入居者の間で結ぶ契約です。
大家さんは物件を貸すこと、入居者は賃料を支払い部屋を借りることを約束します。
その際に取り交わすのが「賃貸借契約書」です。
賃貸借契約書には、賃貸の条件に関するさまざまな項目が記載されています。
記載されている内容に納得できたら、入居者は契約書に署名をして正式に契約を締結します。

賃貸借契約書の必要性

賃貸借契約書がなくても契約を結ぶことは可能です。
何十年も前から住んでいる物件などでは、賃貸借契約書がないというケースも少なくありません。
それでは、なぜ賃貸借契約書が存在するのでしょうか?
賃貸借契約書には、あとから発生するトラブルを防止する役割があります。
口約束で契約を結ぶと、何か問題が発生したときに「言った、言わない」の水掛け論に発展する恐れがあります。
トラブルの原因が契約内容に関することだった場合、契約書がないと解決まで長い時間がかかるでしょう。
こうしたリスクを防止するためには、契約書を交付する必要があります。

重要事項説明書との違い

不動産会社をとおして物件を借りる際には、賃貸借契約書のほか重要事項説明書も交付されます。
重要事項説明書とは、いわば契約を結ぶ前の事前確認です。
契約前に物件の状態を確認することで、入居者と大家さんの間の認識の違いを防ぐ効果があります。
重要事項説明書は、宅地建物取引士であれば必ず交付しなければなりません。
ただし自主管理の場合には、重要事項説明書を交付しなくても賃貸借契約を締結できます。
個人間でのやり取りでは重要事項説明を義務付けていないため、重要事項説明書がなくても違反にはなりません。

自主管理における賃貸借契約:賃貸借契約書は自分で作成できる?

自主管理における賃貸借契約:賃貸借契約書は自分で作成できる?

賃貸借契約書は、法的な効力をもつ書類です。
そう聞くと個人では作成できないと思いがちですが、自分でも作成できます。
ただし、記載内容には細心の注意を払わなければなりません。
内容に問題があると、あとから入居者とトラブルに発展する可能性があります。
また知識不足によって、契約書の内容が自分にとって不利になってしまうケースもあります。
こうしたリスクを考えると、管理会社へ業務を委託することがおすすめです。
管理委託ではプロが賃貸借契約書を作成してくれるため、記入条件でトラブルになる可能性も低いでしょう。
自主管理の場合には、自分で賃貸借契約書を作成します。
以下に、賃貸借契約書に必要な項目をまとめてみました。
賃貸借契約書を自分で作成したいという大家さんは参考になさってください。

●物件情報
●設備・残置物
●契約期間・借家契約の種類
●金銭に関する取り決め
●契約解除の条件・特約など

上記のなかでもとくに重要な項目を解説します。

借家契約の種類・契約期間

賃貸借契約には普通借家と定期借家の2種類があり、どちらを選ぶか決めたうえで契約書を作成していく必要があります。
普通借家では、契約期間を2年間とすることが一般的ですが、入居者が望む限り契約の更新が可能です。
基本的には大家さんから退去を申し出ることはできません。
退去を申し出るには正当な事由が必要とされています。
一方、定期借家は契約更新しないことを前提にしている契約です。
契約期間の満了とともに賃貸借契約は終了し、入居者は退去しなければなりません。
ただし入居者が更新を希望して大家さんが同意すれば、再度、賃貸借契約を結びそのまま住み続けることが可能です。

金銭についての取り決め

金銭についての取り決めは、賃貸借契約書のなかでも重要な項目の1つです。
家賃や共益費、敷金・礼金の金額、支払い方法などを記載します。
また、連帯保証人をどうするのかも重要です。
保証会社を連帯保証人とする場合には、家賃債務保証業者の欄に業者の情報を記載します。
ここでの注意点は「極度額」も必ず記載することです。
極度額とは、連帯保証人が保証する金額の限度で、契約書に記載することが法律で定められています。
極度額の記載がないと契約書は無効となってしまうため注意しましょう。

契約解除の条件

入居者が退去を希望する際の、解約予告期間を設定します。
解約予告期間とは、入居者が退去したい旨を大家さんに通知する期間のことです。
基本的には退去の1か月前としていることが多く、この1か月の間に大家さんは入居者の募集をおこないます。
たとえば解約予告期間を1か月とした場合、入居者は大家さんに対して1か月前に退去の通知をしなければなりません。
1か月以内に退去を希望する場合には、決められた期間分の家賃は発生する旨を記載しておきましょう。
また、大家さんから契約解除をおこなう際の通知期間も記載しておく必要があります。

特約

特約とは、一般的な契約のオプションとして付け足される条件のことを指します。
特約では「退去時のハウスクリーニング費用は入居者負担」などと記載されることが多いです。
そのほか「ベランダでの喫煙禁止」「ペット飼育に関する規定」などの条項もよく見られます。
こうした内容をしっかりと契約書に記載しておくことで、入居者とのトラブルを防止できます。

自主管理における賃貸借契約:賃貸借契約書を自作するデメリット

自主管理における賃貸借契約:賃貸借契約書を自作するデメリット

賃貸借契約書を自分で作成する場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか?
たとえば、以下のようなリスクやデメリットがあります。

手間がかかる

賃貸借契約書を自分で作成する場合、手間と時間がかかります。
上記で挙げたように、賃貸借契約書に記載する項目はたくさんあります。
難しい言葉や専門用語も多く、知識がない場合には調べる時間も必要です。
管理会社に業務委託している場合では、賃貸借契約に必要な書類や手続きはすべて管理会社がおこなってくれます。
契約書を作成する手間が省け、空いた時間をほかのことに有効活用できます。

少しのミスでトラブルになるケースも

賃貸借契約書を自分で作成する場合、契約内容には細心の注意を払わなければなりません。
少しの誤字脱字が契約内容に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
たとえば「乙」と記載するところを「甲」としてしまったら、契約書の内容がまったく違うものになってしまいます。
また記入しておくべき項目を記載し忘れると、のちに問題が発生した場合、責任の所在を明らかにする手段がありません。
内容によっては、大家さんが一方的に不利になる可能性があります。
自主管理の場合には契約書をチェックしてくれる専門家がいません。
そのためミスが起きても発見されにくく、ほとんどの場合そのまま契約へと進んでしまいます。
単純なミスがトラブルの原因になってしまうこともあるため、細心の注意が必要です。

まとめ

今回は、自主管理における賃貸借契約書について解説しました。
後々のトラブルを防ぐためには、自主管理であっても賃貸借契約書を交付することがおすすめです。
「自分で作成するのは難しそう」と感じる場合には、管理会社へ業務委託することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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