賃貸経営をおこなう方であれば「スマート賃貸」という言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
言葉は知っていても、具体的な仕組みは知らないという方も多いでしょう。
この記事では、スマート賃貸とはなにか、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
これから賃貸経営をおこなおうとしている方、現在賃貸経営をおこなっていて空室にお悩みの大家さんは、ぜひ参考にご覧ください。
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賃貸経営において注目を集める「スマート賃貸」とは?
はじめにスマート賃貸とはなにか、どのような設備を導入すれば良いのかを解説します。
スマート賃貸とは?
スマート賃貸とは、IoT住宅の機能をもった賃貸物件のことです。
さまざまなIoT機器を住宅に取り入れ、利便性の向上を図っています。
「そもそもIoT機器ってなに?」と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
IoT機器とは、インターネットをとおしてコントロールできるよう、スマート化された機器のことを指します。
たとえば「テレビをつけて」と一声かけるだけでテレビがついたり、外出先からスマートフォンでエアコンの電源を入れたりできます。
スマート賃貸であれば、これまでの「こうであったら良いのにな」が実現し、入居者はより快適で便利な生活がおくれるのです。
主要なIoT機器や設備
ここでは、スマート賃貸に移行する際に取り入れたい設備や機器を4つご紹介します。
スマートロック
玄関の鍵をスマート化したものです。
遠隔操作が可能で、スマートフォンで鍵の開け閉めができます。
また、外出先から鍵を閉めたかどうかの確認ができる、不審な動きがあれば通知がくるなど、利便性だけでなくセキュリティー面も向上します。
ワイヤレステレビドアホン
配線なしで設置できるドアホンです。
モニターの前にいかなくても、スマートフォンで来客者の様子を確認できます。
ネットワークカメラ
室内の様子がわかるよう、家の中に取り付ける防犯カメラです。
遠隔操作が可能で、お出かけ中でもスマートフォンからペットの様子が確認できます。
また、お子さんの帰宅状況も把握できるとして、共働き世帯にも人気の設備です。
スマートスピーカー
AI機能を搭載したスピーカーです。
音声だけで音楽を再生、情報の検索、スケジュール管理などができ、手が離せないときに重宝します。
あったらうれしいIoT機器
ここでは、より物件の差別化を図るために「あったらうれしいIoT機器」をご紹介します。
スマートHEMS
HEMSとは「Home Energy Management System」の略で、エネルギー管理システムのことを指します。
家中のさまざまな家電や設備をネットワークでつなぎ、HEMSがまとめて管理をおこないます。
たとえば、忙しい朝に家電をまとめてオフにしたり、外出先からエアコンを消したりすることが可能です。
またモニターにてエネルギー消費量が表示されるため、節電への意識向上につながります。
スマート窓シャッター
スマートフォンを使って開け閉めできる窓用のシャッターです。
備え付けのリモコンでも操作できます。
外出中の急な豪雨でも、スマートフォンで操作して窓が閉められるため、共働き世帯に人気の高い設備です。
スマート賃貸を経営するメリットとは?
ここからは、スマート賃貸を経営するメリット・デメリットを解説します。
まずはメリットから見てみましょう。
空室対策に効果的
スマート賃貸を経営する最大のメリットは、空室対策に有効という点です。
前述したように、スマート賃貸は一般の物件に比べて利便性が高く、入居者にとってもさまざまなメリットがあります。
あまりの便利さに、1度住むと一般的な住宅には戻れないといわれているほどです。
そんなスマート賃貸ですが、現時点において物件数は多くありません。
一戸建てでは目にするようになったものの、賃貸ではまだまだ少ないというのが現状です。
そこでスマート賃貸が増える前に移行しておけば、ほかの物件と差別化ができ、入居者を獲得しやすくなります。
また、スマート賃貸は利便性が高いことから住民の満足度を得やすく、1度入居すると長く住んでもらえる可能性が高いです。
入居期間が長くなれば、入退去時にかかるコスト(クリーニング代や仲介手数料など)を減らせるという点もメリットでしょう。
管理料を抑えられる
スマート賃貸では、賃貸における管理もIoT化することが可能です。
たとえばスマートロックを利用すれば、内覧や入退去の際に鍵の受け渡しをする必要がありません。
管理会社に委託する場合、管理にかかる手間が増えるほど費用が高くなります。
スマート賃貸にして管理をIoT化すれば、管理料を抑えられる可能性が高まるでしょう。
セキュリティーを強化できる
女性の一人暮らしにおいて需要の高いオートロックですが、あとから導入しようとすると高額な費用がかかります。
そこでおすすめなのがスマートロックです。
スマートロックを利用すれば、オートロックに対応していない物件でもセキュリティーを強化できます。
また、住宅情報サイトなどに「オートロック完備」と記載できるため、オートロック物件を探している方からも候補に入れてもらえるでしょう。
スマート賃貸を経営するデメリットとは?
続いて、スマート賃貸を経営するデメリットについて解説します。
メリットだけを見るのではなく、デメリットも理解したうえでスマート賃貸に移行するかどうか検討しましょう。
対応している管理会社が少ない
空室対策に有効とされているスマート賃貸ですが、管理できる会社が少ないというデメリットがあります。
IoT機器や設備を提供するには専門的な知識が必要で、一般の管理会社ではハードルが高めです。
大家さんがスマート賃貸に移行したいと思っても、お住まいのエリアでは対応できる管理会社が見つからないかもしれません。
ただし、今後もスマート賃貸の需要と供給は高まっていくと考えられます。
今はまだ少なくても、IoT機器に詳しい設備会社と連携するなどして、スマート賃貸を提供する管理会社は増えていくでしょう。
故障リスクが高い
スマート賃貸に移行するためにはIoT機器や設備を導入する必要があります。
物件に備え付けの設備が壊れた際、一般的には大家さんが修理費用を負担しなければなりません。
設備が増えるとそのぶん故障リスクも高くなります。
昔から「オーナーの資産となる設備はできるかぎり導入しないほうが良い」といわれてきました。
それほど設備は壊れやすく、賃貸経営においてリスクとなる可能性が高いのです。
スマート賃貸に移行する際は、設備の修理費も含めたうえで資金計画を立てるようにしましょう。
導入費用が高額になる可能性がある
先ほどご紹介した主要な設備をすべて揃えるとなると、高額な費用がかかります。
空室対策でIoT機器を導入するのであれば、費用対効果を考えなければなりません。
同じような機能をもつIoT機器であっても、メーカーや種類によってはリフォームが必要なこともあります。
たとえばスマートロックの場合では、今ついているドアに貼り付けるだけで良いタイプと、工事をして取り替えなければならないタイプの2種類が存在します。
まずは手軽に取り入れやすい工事不要のIoT機器から導入してみて、その後機器を増やしていくのもおすすめです。
まとめ
今回は、スマート賃貸の概要とメリット・デメリットについて解説しました。
スマート賃貸のメリットは、希少性が高く空室対策に有効なこと、セキュリティーを強化できることなどが挙げられます。
IoT機器を導入する際は導入目的を明確にして、コストパフォーマンスを意識することが大切です。
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