賃貸管理

賃貸管理に必須!マンションの修繕積立金の概要や適正値をご紹介

賃貸管理に必須!マンションの修繕積立金の概要や適正値をご紹介

マンションの賃貸管理は入居者が安心して過ごすことができるように、さまざまなことを考えなければなりません。
とくに、入居者が支払うものである修繕積立金は注意が必要です。
ここでは、マンションの修繕積立金とは何かにくわえ、管理費との違いや適正値の金額についてご紹介します。
マンションの賃貸管理をおこなっている方やこれからおこなう予定の方は、ぜひご確認ください。

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マンションの賃貸管理に必須!修繕積立金と管理費の違いとは?

マンションの賃貸管理に必須!修繕積立金と管理費の違いとは?

賃貸管理をおこなっていくうえで入居者に請求する費用は、どのようなために、なぜ必要なのかなど用途をしっかりと把握しておかなければなりません。
ここでは修繕積立金の概要や管理費との違いをご紹介します。
まずはそれぞれの概要を確認し、どのような違いがあるのかを明確にしておきましょう。

修繕積立金とは?

まず、修繕積立金とは建物の修繕や診断などにかかる費用を支払うために集める費用です。
ここで言う修繕や診断は簡易的なものではなく大規模なものであることが一般的になっています。
具体的には、マンションの外壁補修や各設備のメンテナンスなど年数につれて自然と劣化していくものに対して使用する費用です。
自然劣化していくものに対して使われる費用であるため、ほとんどの場合は組合によって作成された長期修繕計画に基づいて月々の金額を決めていきます。
月々の金額はマンションの戸数や築年数、付随設備によって異なります。
修繕積立金は入居者ができるだけ長く住み続けられるようにするために集める費用だと認識しておきましょう。

管理費とは?

管理費とはエレベーターや階段などマンションの共用部の維持に充てるために集める費用です。
また、管理費には清掃費や管理人の人件費なども含まれており、日常的にかかかってくる費用に充てられます。
具体的な管理費の例は以下のとおりです。

●管理委託費:管理人の人件費や清掃費
●設備の光熱費:共用部にある設備にかかる電気・ガス・水道料金
●植栽維持管理費用:敷地内にある植栽の手入れ費
●消耗品など軽微な費用:共用部の電球や清掃道具などの購入費
●駐車場管理費:駐車場の管理にかかる費用

このように管理費は日常的に使用する費用であり、用途が多岐に渡ります。
賃貸経営をおこなうマンションにおいて、どのような管理費が必要であるのかをしっかりと考えておきましょう。

修繕積立金と管理費の違いとは?

修繕積立金は長期的な修繕に、管理費は日常的なものに使われる費用です。
これらの違いを知っておかないと請求する費用が極端に多かったり少なくなったりする可能性があります。
また、これら費用はマンションや賃貸管理の方向性などで変動するため、自分に合ったものを考えていきましょう。
もし、修繕積立金や管理費の適正値が不明な場合は、不動産会社へ相談をおこなうことをおすすめいたします。

賃貸管理は計画が重要!修繕積立金の値上げについて

賃貸管理は計画が重要!修繕積立金の値上げについて

修繕積立金は計画のもとに集めていくものですが、計画とのずれやなんらかの理由で退去者が出ることもあるでしょう。
そのような場合、修繕積立金は途中から値上げすることもあります。
ここで、事前に修繕積立金の値上げが起こる原因について確認しておきましょう。

修繕積立金が値上げされる理由

修繕積立金が値上げされる理由には以下のようなものがあります。

計画とのずれ
マンションの外壁などに修繕が必要になる周期は必ず目安どおりになるとは限りません。
たとえば、海に近いマンションであると潮風によって腐食が進みやすくなるほか、台風などの自然災害によって外壁がはがれる場合もあります。
計画を立てる段階でこれらの場合についても考えておき、柔軟に変更できるような計画が賃貸管理には必要です。

居住者が少ない
居住者が多くても少なくてもマンションは修繕は一定の金額が必要になります。
そして、何らかの理由で居住者が少ない、もしくは退去者が多くなった場合には入居者様1人あたりの負担額が大きくなってしまいます。
修繕積立金は入退去と連動して常に変動するものではありませんが、このような状態が長く続いてしまうと結果的に値上がりが必要になるかもしれません。

修繕費用の高騰
近年、日本は少子高齢化によって労働人口の低下が起きています。
このことは修繕を担う施工会社も例外ではありません。
また、現在日本では物価が上昇傾向にあり、施工に使用する材料費も高くなってきています。
これらのことから修繕費が想定のものよりも高くなり、修繕積立金を上げなければいけない状況になってしまうのです。
賃貸管理はこれらのように、さまざまなことを考えなければなりません。
また、値上げはデメリットのように感じることもありますが、値上げによって住民の生活がより便利になることもあります。
値上げをおこなう際はなぜ値上げをするのか、今後の資金計画はどうなっているのかなどの説明ができるようにしておきましょう。
とくに、値上げの理由に関しては、賃貸管理においてトラブルを避けるために重要です。

修繕積立金の方式

賃貸管理は修繕積立金の方式をどのようにするのかについても考えなければなりません。
修繕積立金は主に以下の方式が用いられています。

●均等積立方式:建物にかかる総修繕費を均等に割って徴収する方式
●段階増額方式:その都度必要な分の修繕費を徴収する方式

均等積立金は入居者にとって資金計画が立てやすいといったメリットがあります。
しかし、均等積立方式は国土交通省が推奨しているにも関わらず、賃貸管理に導入している例はまだ少ないです。
次に、段階増額方式ではその都度値上がりをおこなうため修繕費の不足を防ぐことができます。
一方で、段階増額方式は入居者からすると老後の資金計画や適性値であるのか不安に思うなど心理的な面でマイナスな影響がでてしまうかもしれません。
ですので、修繕積立金の方式は均等積立方式が適していると言えます。
しかし、均等積立方式によって修繕費の不足が起きると必要な工事がおこなえず、適正値との差額分の一時金が必要になってしまうこともご認識ください。

マンションの修繕積立金における適正値

マンションの修繕積立金における適正値

必要な修繕積立金を設定しようと思っても、そもそもの適正値がわからないと適切な金額を設定することができませんよね。
そこで、賃貸管理には令和3年9月に見直しがなされた「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を用いることがおすすめです。
主な見直し内容は以下のとおりです。

●計画期間:既存マンションの長期修繕期間を30年以上に変更
●修繕周期:事例を参考に一定幅のある周期に変更
●社会的要請による修繕:省エネ工事や適切な管理に関する事柄を明記
●修繕積立金の目安:事例を踏まえ、現在の適正値に変更
●修繕積立金の計算:計算式を従来のものから変更

とくに、適正値の変更は賃貸管理に深く関わってきます。
ガイドラインで示された適正値は以下のとおりです。

20階未満

●延床面積5,000㎡未満:235~430円/㎡・月
●延床面積5,000㎡以上10,000㎡未満:170~320円/㎡・月
●延床面積10,000㎡以上20,000㎡未満:200~330円/㎡・月
●延床面積20,000㎡以上:190~325円/㎡・月

本ガイドラインは適正値だけでなく賃貸管理に役に立つ事柄が多数記載されているため、1度は確認しておきましょう。

まとめ

マンションの賃貸管理において修繕積立金は必要不可欠なものです。
修繕積立金を適切に集めることで入居者が安心して住み続けられるだけでなく、安定した賃貸経営にもつながります。
方式や適正値について確認し、効果的な賃貸経営をおこなっていきましょう。

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