賃貸管理

生活保護受給者の入居受け入れの課題とは?空室対策に効果的

生活保護受給者の入居受け入れの課題とは?空室対策に効果的

賃貸管理・賃貸経営を始めようとしている方にとって、空室が埋まらないのは大きな課題です。
空室が埋まらないと家賃収入が得られず、何か策を考えなければなりません。
そこで本記事では、生活保護受給者の入居受け入れについて解説します。
お金をかけずに空室対策ができるので、基礎知識を把握して実践してみてください。

\お気軽にご相談ください!/

弊社へのお問い合わせはこちら

生活保護受給者の入居受け入れにおける家賃は住宅扶助を使用

生活保護受給者の入居受け入れにおける家賃は住宅扶助を使用

生活保護受給者は収入が少なく、家賃を支払ってくれるか不安になることでしょう。
しかし、家賃は住宅扶助でまかなわれるので、安心して入居を受け入れても問題ありません。
まずは住宅扶助と代理納付について、語句の意味を確認しましょう。

住宅扶助とは

住宅扶助とは「困窮のために最低限度の生活を維持することのできない者に対して、家賃、間代、地代など、補修費など住宅維持費を給付するもの」とされています。
平成25年11月22日の厚生労働省社会・援護局保護課で公布されて、基準額が決められています。
特定の地域ごとによって生活保護の基準額が決められる級地があり、1級地および2級地では家賃、間代、地代などの額が月額13,000円以内です。
3級地になると月額8,000円以内になるので、自分が在住している地域はどこの級地に属しているかを確認する必要があります。
補修費など住宅維持費は年額117,000円以内になり、級地は関係ありません。
つまり、住宅扶助の対象者は限度額内に住める物件を探すケースがほとんどです。
共益費や光熱費は住宅扶助に含ませんが、更新料や住宅維持費、火災保険料などは含まれます。

代理納付で家賃滞納のリスクを回避

住宅扶助から家賃の支払いがおこなわれるので、滞納のリスクは低いです。
しかし、人によって住宅扶助のお金を別の用途で使うことで滞納してしまう可能性があります。
そこで代理納付をすれば、生活保護受給者の代わりに福祉事務所が納付してくれるのでおすすめです。
代理納付を利用するには、生活保護受給者の同意を得てから申請する必要があります。

生活保護受給者の入居受け入れで入居審査のポイント

生活保護受給者の入居受け入れで入居審査のポイント

生活保護受給者からの入居申し込みがあった場合、家賃をしっかりと支払ってくれるか不安になることでしょう。
しかし、ポイントを押さえて確認すれば、契約しても問題ありません。
どのようなポイントがあるか、見ていきましょう。

健康状態

本人の健康状態によって、深刻さに大きな違いがあります。
たとえば病気や障害で働くのが困難で、生活保護を受給している方を考慮しなければなりません。
とくに高齢な方や重度な病状を抱えている方かつ一人暮らしの場合は、家族に事情を聞く必要があります。
万が一部屋に倒れてしまうと、連絡が取れなくなってしまうので注意してください。

連帯保証人

連帯保証人がいた方が、家賃滞納のリスクを防げます。
万が一家賃が滞納してしまっても、連絡が取れれば対処可能です。
とくに連帯保証人が親族であれば、連絡が取りやすくて安心できます。
受給者のなかには連帯保証人が付けられない場合があるので、保証会社の利用を勧めてください。
生活保護受給者証明書や身分証明書などがあれば対応してくれる保証会社が多くあり、審査もとおりやすいです。

引っ越しの理由

引っ越しの理由を確認しておくのも、入居審査をおこなうときの重要なポイントです。
たとえば過去に家賃滞納をしたことで、引っ越さなければならない方がいます。
すると、次の入居も家賃滞納をして、支払いのトラブルになりかねません。
ただし、過去に支払いのトラブルがあったからといって、入居を断るのは早いです。
トラブルの原因が他責であれば、入居審査を厳しくする必要はありません。
しっかりと理解して入居に問題ないかを受け入れれば、長く安定して家賃を支払ってくれるでしょう。

生活保護を受けた事情を確認

生活保護の受けた事情が問題ないか、チェックした方が今後のトラブルを避けられます。
たとえば失業して受給を選び、次の仕事先までの一時的な生活保護であれば入居させても問題ありません。
仕事を探す意思があれば継続的に家賃収入を得られる可能性が高く、入居者に合わせた対策が必要です。
具体的には、入居希望者が住宅扶助費の減額がされた場合で、家賃の引き下げの交渉に応じたり、入居者の退去をさせたりなどが考えられます。

生活保護受給者の入居受け入れでよくあるトラブルと対策

生活保護受給者の入居受け入れでよくあるトラブルと対策

生活保護受給者の入居を受け入れた場合、多くのトラブル事例があります。
トラブルが訪れる前に対策方法を理解し、いざというときに活用できるようにしましょう。
手続きの流れは1つずつ丁寧に行えば、未納の家賃もしっかりと回収できます。

家賃滞納

よくあるトラブルは、家賃滞納をして支払えない状況です。
最悪の場合、家賃滞納の結果、夜逃げしてしまう可能性もあります。
対策の手順として、賃貸経営をしている方は役所に確認をするのが優先です。
生活保護は役所から住宅扶助として家賃が支払われているため、事情を話せば理解してくれるでしょう。
役所に行けば担当している部署があるので、住宅扶助がいくら出ているのか確認してください。
次は未払いの金額を書面にしてもらって、正式な賃貸借契約を結ぶようにしましょう。
賃貸借契約は不動産会社に依頼すればできるので、ぜひご相談ください。
最後は役所を訪れて、本人に住宅扶助の費用を渡さずに大家さんに渡すようにすれば完了です。
入居者が家賃の支払いを優先せずに別の用途で支払うことがなくなるので、安定して家賃収入を得られます。

近隣トラブル

近隣トラブルを起こすような方は、入居の受け入れを考えた方が良いでしょう。
事例はたくさんありますが、他の住民の気分を害する行為をしてしまうと退去されてしまって、空室が多くなってしまう恐れがあります。
たとえばタバコのにおいが苦手で勝手に禁煙の張り紙をしてしまうと、住みにくさに影響しやすいです。
ましてや共用部に自分のルールを付けくわえてしまうと、大家さんだけではなく、住民にも迷惑が掛かってしまいます。
他にも壁やドアを叩く、高圧的な口調で注意するなど、入居者に不安や恐怖を与える行為は空室に繋がりやすいです。
たとえば酒乱な入居者がいると騒がしくなり、他の入居者に快適な住環境を提供できません。
退去させる手続きをするか、入居審査の段階で確認するかの対策をしないと、トラブルになりやすいです。

孤独死

生活保護受給者かつ高齢者の場合、孤独死になってしまうケースが少なくありません。
とくに一人暮らしの方や障害を持っていて行動に制限がある方は、発見までに確認が遅れてしまいます。
大家さんも家賃の支払いを催促するために訪問しても、留守と勘違いしてしまい、異臭や違和感で気付くケースが多いです。
発見したときには床や壁に体液が染み込み、特殊清掃の依頼をしたり、事故物件扱いにされたりなど影響を受けてしまうでしょう。
対策として保険の加入を検討したり、毎月家賃をもらう日を定めて直接会ったりするなどがおすすめになります。
保険の加入は恩恵が大きく、現状回復費用の保障や家賃保証など、出費を抑えられるメリットがあるので検討してみてください。

まとめ

生活保護受給者の入居受け入れにおける家賃は、住宅扶助でまかなわれる仕組みになっています。
入居審査で健康状態や連帯保証人、引っ越しの理由などに問題がなければ、入居させても問題ないでしょう。
ただし、家賃滞納や近隣トラブルが起こったときを想定して、事前に対策しておく必要があります。

\お気軽にご相談ください!/

弊社へのお問い合わせはこちら