家賃滞納は賃貸経営のもっとも恐れるトラブルの1つですが、現在の日本の法律では、即座に支払ってもらうことも退去させることも困難です。
ここでは、事前に知っておきたい家賃滞納トラブルが及ぼす影響の範囲や法律に則った強制退去手続きの流れから、家賃滞納を防ぐポイントなどを解説します。
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賃貸経営で家賃滞納された場合に及ぼす影響とは?
アパートやマンションなどの賃貸経営をする際、どれだけリスク管理をしても家賃滞納のリスクをなくすことは困難です。
滞納されてしまった場合、どのような問題が発生し、経営の何に影響を及ぼす可能性があるのか、3つのパターンを解説します。
収益に大きな問題?ローン返済やキャッシュフローに影響
家賃は賃貸経営のメインの収益であり、その収益が失われる滞納リスクは、ローン返済やキャッシュフローそのものに多大な影響を及ぼす可能性が考えられます。
入居者にとっては、たった1か月分の支払い遅延であっても、それが数軒分もあれば大家にとっては大きな損失です。
家賃滞納のきっかけはさまざまですが、うっかり家賃の支払いを忘れてしまっても、厳しい取り立てがあるわけではないので、そのまま滞納状態を続けてしまうケースもあります。
そのようなケースが多発してしまうと、賃貸経営そのものが危ぶまれ、ローン返済や経営に必要な資金が減ってしまうのは問題です。
居座られる影響とは?新規入居者募集をかけられない
家賃が支払えない、または支払わないと訴える入居者の多くは、経済的に困窮していることがあり、部屋に居座り続けるケースが少なくありません。
家賃が適切に支払えない場合、現在の入居者には退去してもらい、きちんと家賃を支払える方に貸し出したいものです。
しかし、入居者を簡単に追い出すことはできないため、お互いに同意、もしくは法的に退去してもらわなければ、新たに入居者を募集することができません。
また、部屋に荷物を残したまま行方しれずとなった場合でも、大家の独断で荷物を処分して空室扱いにすると、トラブルを引き起こす可能性が高いです。
部屋自体に及ぼす影響とは?原状回復が難しい
家賃滞納が長期化すると、入居者が部屋に居座ったり荷物を置いたまま連絡が取れなくなったりする可能性があり、やっと退去してもらえても原状回復は難しいと考えられます。
長い間、家賃が滞納されていた場合、それまでの期間に適切な部屋の掃除やメンテナンスがおこなわれることはほとんどないので、内装や設備の劣化が進みます。
家賃を滞納する理由は経済的な困窮であることが多いため、生活もままならない入居者から原状回復費用を支払ってもらえる可能性は低いでしょう。
賃貸経営における家賃滞納から強制退去までの一連の手続きと流れ
賃貸経営で家賃を滞納された場合、最初はどのような手続きをおこなっていくか、最終的にはどのような手続きをおこなう可能性があるのか、段階的に解説します。
期日までの支払い催促から督促状の発送まで
最初の段階では、家賃の支払い期日を過ぎた入居者に対して、大家や管理会社から家賃を支払うように催促をおこないます。
催促から約1週間の猶予期間を設け、その間に入金するか、支払いが困難な理由がある場合には大家や管理会社に連絡することを記載した文書を発送する形が多いです。
対応されなかった場合には、支払い期日から約2週間後を目安として、入居者が文書を受け取ったことがわかる内容証明で督促状を発送します。
支払う金額、支払いの期日、振込先の口座情報から、期日までに支払いがない場合には賃貸借契約の解除も考えている旨を明記するのが一般的です。
滞納分の支払いと退去を求める任意明け渡し請求
最初の段階で入居者から対応がなかった場合、任意での部屋の明け渡し請求とともに、滞納した分の家賃の支払いを求める次の段階へ進みます。
賃貸借契約書の内容に従い、入居者に対して契約解除をする旨と、これまでに滞納した分の家賃を支払うように伝えますが、催促や督促状と同じでは意味がありません。
そこで、任意明け渡し請求では滞納分の家賃の支払いは免除するなど、とにかく退去してもらうことに重点を置いた交換条件を提示することが多いです。
これにより、裁判などの法的手続きに頼らず、穏便に退去してもらうことができれば、手続きにかかる時間や手間を大幅に省くことができます。
最終段階は少額訴訟や明け渡し訴訟による強制退去
任意明け渡し請求でも入居者が退去しない場合、最終段階は裁判所に申し立てをおこない、強制退去や財産の差し押さえなどをおこないます。
60万円以下の支払いを求める場合には少額訴訟が可能で、1回の審理で判決が下されるため、余計な時間をかけません。
しかし、すでに家賃滞納するほど経済的に困窮しているかもしれない相手から支払わせることは難しいので、回収は現実的ではないでしょう。
もう1つの法的手段としては、弁護士や司法書士に強制執行の申し立てを依頼し、裁判所をつうじて入居者に強制退去の命令を下します。
住む場所に関する訴訟となるので、判決までに半年ほどの時間がかかり、50万円ほどの訴訟費用も必要となりますが、強制退去させるには裁判所に申し立てをおこなうしかありません。
家賃滞納を防ぐ賃貸経営の3つのポイント!
入居者が原因となる家賃滞納リスクは、大家側からは対策のしようがない問題に思えますが、入居者が利用しやすい環境を整えることで、リスクを減らしていけるでしょう。
うっかり支払い忘れを防ぐには自動引き落としが便利!
家賃の支払いのために、毎月銀行窓口やATMに出向いて振込作業をおこなうのは、入居者の負担となるうえに、うっかり忘れてしまいやすいです。
支払い忘れを防ぐには、銀行振込を自動化したり、カード払いを導入すると、入居者の負担が減って滞納防止に繋がります。
インターネットバンキングを利用していれば、振込内容を登録し、毎月決まった金額を決まった日付で振り込むことが可能です。
カード払いは、手数料が大家負担となるため敬遠されてきましたが、家賃滞納するリスクを軽減できるならばと導入するところが増えています。
わずかな手数料と家賃滞納リスクのどちらを取るかと言われたら、わずかな手数料をかけたほうが賃貸経営を安定させやすくなるでしょう。
連帯保証人の支払い能力もしっかり見極める!
入居者が自分で家賃を支払う能力がなくなった場合でも、連帯保証人を付けておけば、その方に家賃の支払いを請求することができます。
連帯保証人は契約者である入居者と同等の責任を有しているため、入居者が家賃を支払えない場合には、代わりに支払わなければなりません。
金銭の支払いが生じるため、縁の薄い方では支払いに応じない可能性があるので、直系の家族や近しい親族にお願いするのが一般的です。
その際には、十分な収入があること、いざというときには滞納した家賃の支払いが可能な人柄かなどを十分に見極めましょう。
保証人が付けられない方には家賃保証会社の利用を徹底!
連帯保証人を頼める親族がいないという方もいらっしゃるため、その場合には家賃保証会社を利用してもらい、いざというときの保険を必ず用意します。
家賃保証会社とは、入居者自身での家賃の支払いができなくなった際に、代わりに大家に家賃を支払うことを事業としている会社です。
利用する際の保証料の支払いは入居者が負担するものなので、大家には手続きや料金の負担が一切かかりません。
まとめ
家賃滞納はいつでも起きる可能性のあるリスクであり、対処の難しい問題でもあるため、事前にリスクを下げる手段には何があるのかを知っておくことをおすすめします。
賃貸経営や管理方法でお困り、お悩みの際は、弊社の問題解決力やフットワークの良さを活用してみませんか?
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