賃貸物件を運営するにあたって、EV充電装置を導入するか検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、賃貸物件にEV充電装置を導入する必要性とそのメリットについてご紹介します。
充電装置の設置方法や手順に関してもお伝えしますので、賃貸物件の運営や管理担当者の方はぜひお読みください。
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EV充電装置とは?賃貸物件に導入する必要性をご紹介
電気自動車の普及は、二酸化炭素を削減する「脱炭素化」の実現に欠かせない戦略です。
しかし、日本では今ひとつ浸透しておらず、普及の促進が政策課題となっています。
電気自動車とは?EV充電装置とは?
電気自動車とは、電力をメイン動力源とする自動車であり、Electric Vehicleを略したEVと呼ぶタイプです。
近年、地球温暖化防止の一環としての脱炭素化は世界の潮流であり、自動車はガソリン車から電動車への過渡期を迎えています。
動力は、ガソリンと併用するハイブリッド(HV・HEV)とプラグ・インハイブリッド(PHV・PHEV)の他、水素から発電する燃料電池車(FCV、FCEV)などです。
EV充電装置とは、200Vの普通充電器やコンセントの他、急速充電器などがあり、ガソリンスタンドのような設備はEV充電ステーションと言います。
車載ケーブルや設備のケーブルを使って、充電装置と電動自動車の充電口をつなぐだけで電力を供給できる仕組みです。
EV自動車は、走行するときに二酸化炭素を排出しない点は優れていますが、航続距離が短いため、頻繁に充電しなければなりません。
現在、EV充電装置は、電動車の販売をおこなうディーラーの他、高速道路のサービスエリアや道の駅、店舗や商業施設などにも併設しており、設置台数が増えています。
しかし、充電には時間がかかるため店舗などで充電率100%にするのは難しく、長時間安心して充電できる場所の拡充が急務です。
賃貸物件にEV充電装置を設置する必要性とは?
世界中の国々が電動自動車の導入を目指すように、日本政府も2035年には100%の普及率を掲げています。
国内自動車メーカーも電動車の比率を高める目標を設定しており、今後の主流となる電動車の充電設備は、賃貸物件にとって必須の設備になるのは明白です。
現在、家庭用電源から充電できる電動車であっても、集合住宅では戸外にコンセントがある物件は少ないため、入居者は電動車を購入できません。
また、集合住宅は、駐車場と建物の間に距離があるレイアウトになっている点も電動車ユーザーに人気がない理由です。
そこで、敷地内にEV充電設備があれば、いつでもフル充電できるようになり、電池切れの不安を解消できます。
賃貸物件にEV充電装置を導入するメリットと知っておきたい注意点
これからの集合住宅にとって、EV充電設備は他の物件との差別化に役立ちます。
電動自動車の充電設備の必要性にこたえることも、賃貸経営の選択肢のひとつです。
EV充電装置を設置するメリットは資産価値の向上
他の賃貸物件にはない設備を導入すると、資産価値を高める効果があります。
なかでも、EV充電装置を導入済みの集合住宅は少なく、ニーズに対応しきれていないのが実情です。
そこで、早期に導入すると、物珍しさも加わり人気になります。
高めの家賃設定が可能になる他、実績を積みたい充電設備の施工会社からの充実した支援が期待できる点もメリットです。
現在、資源エネルギー庁では、充電設備の拡充を後押しする目的で、設備と工事にかかる費用に対する支援措置もおこなっており、少ない出費で資産価値を高めることができます。
入居者を募集する立場から入居したくなる物件へ
地球にやさしい生き方を目指す方にとって、ガソリン車から電動車は自然な流れであり、充電設備が整えば、購入支援がある間に乗り換えたい方も多くいます。
この方々のニーズをとらえれば、空室を心配する物件から入居したくなる賃貸住宅へと変わることも可能です。
郊外など駅から遠い立地であっても、充電装置があれば、マイカー通勤の方の受け皿になれます。
広い敷地を持て余すことなく有効に活用できるうえ、広さを逆手にとった経営戦略も夢ではありません。
課題は電力料金の公平な負担
すでに充電装置を導入した集合住宅では、電力料金の公平な負担が課題となっています。
コンセントごとに電力量計を設置するなどして、使用量に応じた金額を負担する仕組みが必要です。
しかし、電力量計を設置した電力料金の算定は、計量法に則した機器の使用が条件になっており、費用も高額になるなど課題も多くあります。
そのうえ、外部からの侵入者による無断利用への対策も不可欠です。
今でも、多くの集合住宅で迷惑駐車などが悩みの種になっていることを考慮すると、便利な充電設備を導入するには、多くの課題があることもご理解ください。
また、新築物件への導入は比較的容易ですが、すでに入居者が生活している場合は、設置のメリットがなければ退去してしまうリスクにも注意しましょう。
賃貸物件にEV充電装置を導入する方法とは?
賃貸物件にEV充電装置を整備するときは、利用電力の観点から、急速充電装置よりも普通充電器が適しています。
集合住宅では、複数台整備することが前提条件になることも踏まえ、設置場所などを検討しましょう。
EV充電装置の設置場所の選定方法と費用の目安
設置場所の選定には、EV充電設備の全容を把握することが大切になります。
通常、集合住宅に取り付ける200Vコンセントタイプの充電装置には、設置台数×3~6kwの配線が必要です。
配電盤と電力量計は建物に取り付けることになるため、駐車場と建物の距離が近いことが設置場所の条件になります。
トヨタや日産は、標準装備の車載充電ケーブルの長さは7.5m、三菱は5mの車種もあることから、充電装置と車の距離は3.5m程度が目安です。
車のデザインによって充電口の場所が異なることも考慮し、ケーブルが余裕をもって届く距離に決めます。
また、雨天でも安全に充電できますが、コネクターやプラグを濡らさないように屋根の設置も検討し、フル充電には6~8時間かかることも覚えておきましょう。
費用の目安は、1台につきコンセントタイプは20~50万円、普通充電器では100万円になります。
充電装置や電力量計設備、取り付け工事費込みですが、配線工事は別料金です。
あくまでも目安であることから、必ず見積もりを依頼しましょう。
運用のポイントは管理システムと料金徴収方法
管理システムも充電装置の設置を手掛ける施工会社からの提案になり、多くの利用方法は予約制です。
アプリを活用して予約するシステムの他、ケーブルやコンセントを制御するタイプもあります。
車載ケーブルを使用しないタイプは盗難の恐れがあり、無線LANを利用するタイプは設備費用が高額になるなど、それぞれデメリットがある点も注意が必要です。
とはいえ、運用する際、使用した電力量に応じた負担方法が入居者の不満を和らげるために役立ちます。
その点を踏まえると、充電装置の利用料金は、家賃や管理費と別計算にできる、クレジットカード払い方式の管理システムなども検討しましょう。
EV充電装置の設置は、入居者の利便性を高めることが目的です。
賃貸経営の方針を定め、装置や運用システムの選定方法も含めて施工会社に相談しましょう。
まとめ
EV充電装置とは、電動自動車の充電に欠かせない設備であり、賃貸物件の資産価値向上や立地の克服に役立ちます。
導入には費用がかかりますが、将来、電動車が増えることも考慮し、国の支援措置を活用した導入を検討すべきです。
電力料金を別計算にするなど、入居者の利便性を高めた管理方法を採用しましょう。
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