- この記事のハイライト
- ●残置物とは、不動産売却にあたり物件に残されている生活用品や不用品のこと
- ●残置物を残したままにすると、契約不適合責任を問われるといったトラブルに発展するリスクがある
- ●不動産会社による買取を利用すれば、残置物を残したままでも不動産売却が可能
不動産売却の際は、室内の荷物をすべて撤去した状態で買主へ引き渡すのが一般的です。
しかし不用品の処分には手間がかかるので、残したまま売却したいとお考えの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産売却における残置物とはどのようなものか解説します。
東京都内および埼玉県川口市、神奈川県麻生区、神奈川県多摩区に不動産をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてください。
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不動産売却で問題となる残置物とは?
残置物とは、前の居住者が残したままにした家具・家電などの生活用品を意味します。
生活用品以外にも、粗大ゴミなどの不用品も残置物に含まれます。
通常は、不動産売却時に売主側ですべて処分しなければなりません。
もちろん買主・売主双方の合意があれば、残置物をそのままの状態で引き渡すことも可能です。
しかし買主の同意を得ず、残置物を残したままにするとさまざまなトラブルの原因となるので注意が必要です。
不動産売却では、売主は買主に対して契約不適合責任を負います。
引き渡した物件に何らかの不具合や欠陥が生じていた場合、売買契約書にその内容が記載されていなければ、買主から損害賠償などを求められることがあります。
これは残置物にも適用されるので、不動産売却では慎重に対応を進めなければなりません。
設備と残置物の違い
不動産売却にあたり、設備なのか残置物なのかで取り扱いに悩むものもあるのではないでしょうか。
設備とは文字通り、その不動産に属する主要な設備のことです。
給湯器や水回りの設備、空調設備、収納器具、建具などが設備に含まれます。
不動産売却の際は付帯設備表を作成し、設備の有無や動作状況(故障の有無など)を詳しく記載しなければなりません。
そして付帯設備表に記載されていないものは、基本的には残置物として取り扱われます。
付帯設備の補償期間は?
物件の引き渡し後に、設備に何らかの不具合が判明すると売主負担で補償しなればなりません。
そのため付帯設備表の記載状況と現況が異なれば、売主が責任を負う必要があります。
たとえば照明器具の記載があるにも関わらず間違えて撤去してしまえば、買主から再設置を求められることになるでしょう。
さらに、買主に告知していない故障があれば、売主の費用負担で修繕する義務もあります。
そして不動産売却時の補償期間は、1週間程度と定めるのが一般的です。
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不動産売却時に残置物が原因で起こるトラブル
不動産売却時に残置物を残すと、さまざまなトラブルの原因となります。
物件の引き渡し後であっても、残置物の所有権は元の所有者のままです。
そのため、買主は自分の判断で処分できないなどの問題があります。
このほか、次のようなトラブルに注意してください。
売主と買主の認識が相違してしまう
残置物をそのままの状態で不動産売却するときは、売主と買主との間で残していくもの・撤去するものを共有してければなりません。
しかし不動産売却では、残置物以外にもチェックすべき項目が多岐に渡ります。
そのなかで双方の認識が食い違い、どれを残していく約束になっていたのかでトラブルに発展する可能性があります。
そこで不動産売却の際は、付帯設備表と現況が合致しているかを売主・買主の双方が確認するようにしましょう。
エアコンの取り扱いでトラブルになる
残置物のなかでも、エアコンは買主に歓迎されやすい家電です。
エアコンは取り外しにも費用と手間がかかるので、残したまま不動産売却したいと考える売主も多いのではないでしょうか。
そして比較的新しいエアコンであれば、故障などのトラブルに発展する可能性は低いでしょう。
しかし古いエアコンの場合は故障のリスクが高まっているので、トラブル防止のため撤去するのがおすすめです。
やむを得ず残していく際は、残置物について契約不適合責任を免責にするなどの取り決めをしておくと良いでしょう。
処分に関する決定権は売主にある
残置物の取り扱いについて、処分に関する決定権は所有者である売主に属しています。
売買交渉をスムーズに進めるためには、買主の意向を尊重したほうが良い場面も多いでしょう。
しかし、買主の求めに応じて残したままにした残置物が原因で、苦情に発展するリスクもあります。
また、まだ使えるエアコンや照明器具など利用価値の高い残置物であっても、売却価格に反映されることはほとんどありません。
そのため取り扱いに迷ったときは、基本的には売主側で処分したうえで引き渡すのがおすすめです。
処分費用を抑えるときのポイント
不用品処理業者に依頼すれば、残置物をまとめて処分できます。
大型家具など自力で運び出せないものも、専門業者であれば搬出も任せられるメリットがあります。
しかし量が多いと費用もかさむため、可能な限り自分で処分すると良いでしょう。
まだ使えるものであれば、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリで現金化できます。
売却できないものは粗大ゴミとしての処分や、指定引取場所への持ち込みによる処分方法があります。
小物類であれば、燃えるゴミとして処分できる場合もあるでしょう。
詳しいゴミの分別方法については、各自治体にご確認ください。
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残置物を残したまま不動産売却する方法
なるべく処分するのが望ましい残置物ですが、自分での撤去が難しいこともあるでしょう。
たとえば相続で取得した実家などは、室内に大量の荷物が残されていることも珍しくありません。
そのような場合に、残置物を残したままでも不動産売却できる方法を確認していきましょう。
不動産会社の買取を利用する
買取とは、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう売却方法のことです。
買取価格は、残置物の処分費用も加味した金額が提示されます。
自分で処分する手間が省けるため、残置物を残したまま不動産売却したいときには買取を検討すると良いでしょう。
また、買主が不動産会社などの業者である場合、契約不適合責任は免責とする契約になるのが一般的です。
残置物を残して売却したいときだけでなく、築年数の古い建物を売却したいときにも有効です。
買取価格は相場よりも低くなることが多い
不動産会社は、買い取った不動産を再販売することを目的としています。
そして残置物の撤去やリフォームにかかる費用相当分は、買取価格から差し引かれるのが一般的です。
そのため、仲介による不動産売却の相場よりは低くなることが多いようです。
そこで買取を利用するときでも、処分できるものは自分で処分すると良いでしょう。
買取の注意点
どのような不動産でも、買取の対象であるとは限りません。
なかには買取対象外のものもあるため、買取をご希望の際は事前に確認してください。
そして残置物の取り扱いも、物件の状態や不動産会社によって異なります。
基本的には個別の判断となるためご注意ください。
そこで買取にする仲介にするかで迷ったときには、価格査定の際に不動産会社へ相談すると良いでしょう。
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