リバースモゲージという言葉を聞いたことはありますか?
最近、ニュースでも話題にあがることの多い老後資金ですが、リバースモゲージは老後資金に大きく関わってきます。
今回は、そもそもリバースモゲージとはどのようなものなのか、利用する際のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
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不動産のリバースモゲージとは?
まず最初に、リバースモゲージの概要についてご紹介します。
以前は各都道府県が自治体ごとに一事業としておこなっていたり、厚生労働省が制定した不動産担保型生活資金が活用されていましたが、各地の地銀を中心に商品が登場し始めました。
2015年に大手銀行が参入したことで、リバースモゲージを取り扱う金融機関が増え、現在老後の資金調達として注目されています。
リバースモゲージとは?
リバースモゲージとは直訳すると、リバースは逆、モゲージは抵当や抵当権という意味になります。
自宅を担保として生活資金を借り入れすることができ、継続して住み続けることも可能です。
つまり、高齢者向けの貸付制度ということがいえるでしょう。
実際、60歳以上の無職の方の多くは毎月3~5万円の赤字となり、貯えを切り崩して生活している、と言われています。
その一方で、60歳以上の高齢者の70%以上が不動産を所有しているのです。
ただ住むだけではなく、不動産を有効活用して高齢社会の悩みと不安を解決するために活用できるのが、リバースモゲージといえるでしょう。
リバースモゲージは、各都道府県の社会福祉協議会や金融機関が取り扱いをおこなっていて、借入金の使い道や限度額が異なります。
契約対象者について、金融機関では55歳以上としていることが多いですが、社会福祉協議会では65歳以上が対象です。
自宅は持ち家だけど、生活資金が少ないという高齢者にとって、自宅に住みながら生活費を確保できる方法として注目されています。
また、子どものいない夫婦や、自宅を引き継ぐ必要がないという場合も有効な方法といえるでしょう。
リバースモゲージの使い道として、老後の生活資金や医療費、子どもへの生前贈与、ローンの残債の支払いなどがあげられます。
リバースモゲージの返済方法
通常の住宅ローンでは融資額を月々返済していくのが一般的です。
しかし、リバースモゲージは、どこで利用するかによって返済方法も異なります。
たとえば、金融機関が取り扱うリバースモゲージにも金融機関独自でおこなうものや、住宅金融支援機構と提携しておこなうものがあります。
金融機関が取り扱うリバースモゲージでは、借り入れ人は生存中は利息分のみ支払い、元金は借り入れ人が死亡したあと、自宅を売却するなどして一括で返済します。
一方、社会福祉協議会が扱うリバースモゲージは、相続人や連帯保証人による元金および利息を一括で支払うか、不動産を処分するかを選ぶことになります。
どちらも、毎月の支払額を抑えることができるため、老後の生活が安定するという効果が期待できます。
リバースモゲージと住宅ローンの違い
住宅ローンが定年後に残っている場合、住宅ローンを支払いながら生活費を確保するのは困難が伴う可能性があります。
最悪なケースでは、自宅を手放さなければいけないということも考えられるでしょう。
しかし、住宅ローンからリバースモゲージに借り換えることで、自宅を手放さず、毎月の返済額を減額することが可能となります。
住宅ローン毎月一定の元金と利息を返済する必要がありますが、リバースモゲージは死亡時に元金を一括返済するという点が大きな違いです。
リバースモゲージを利用するメリット
次にリバースモゲージのメリットについて見ていきましょう。
毎月の支払いが減る
リバースモゲージの大きなメリットとして、先ほども触れましたが、支払い額が利息のみとなりますので、毎月の支出を抑えることができる点です。
自宅を手放さなくても良い
リバースモゲージのメリットとして、自宅を手放さなくてもう良いということがあります。
しかし、たとえばリバースモゲージを利用している配偶者が先に亡くなった場合、自宅を売却して元金を返済する必要があるのでしょうか。
実は、配偶者がリバースモゲージを引き継ぐことが可能という金融機関が多くあります。
配偶者のリスクを回避できるのは大きなメリットといえるでしょう。
借り入れ資金の使い道が自由
金融機関が取り扱うリバースモゲージは、住宅の建て替えや旅行など、使い道が自由です。
また、生前に子供に贈与したいという場合にも使えるなど、自由度が高いことがメリットでしょう。
自宅を残したまま、老人ホームの入居資金を借入することも可能です。
しかし、社会福祉協議会が取り扱うリバースモゲージは生活支援という目的があるため、旅行などの資金を借りることはできません。
いざという時のために備えることができる
老後資金は準備できているけど、いざというときのために備えておきたいという方も少なくはありません。
定年後は旅行などの余暇を楽しみたい方や、病気や介護への資金を備えておきたい方は、リバースモゲージを活用すれば、いざというときに老後資金の減少を抑えることも可能です。
リバースモーゲージのデメリットやリスク
リバースモゲージは老後の生活を安定させるというメリットが大きく、最近注目されています。
しかし、デメリットやリスクもありますので注意が必要です。
どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
団体信用生命保険の加入ができない
通常、金融機関で住宅ローンを組む際、団体信用生命保険の加入が義務付けられています。
契約者が亡くなった際、住宅ローンの返済をしなくて良いため、残された家族は安心です。
しかし、リバースモゲージは団体信用生命保険の加入ができません。
そのため、配偶者が亡くなった場合、自宅を売却して返済するか自己資金で返済する必要があるのです。
しかし、連帯債務者になることで、契約者が亡くなっても配偶者がそのまま住み続けることも可能となります。
なお、連帯債務者は50歳以上、夫婦で住んでいることなどが条件となりますので注意が必要です。
金利の変動リスク
リバースモゲージでは変動金利が適用されます。
変動金利は市場動向により適用される金利が変更する金利タイプです。
そのため、金利が上昇した場合、返済額が増えるというデメリットがあります。
不動産価値の下落
不動産価値は路線価をベースにして算出されます。
しかし、土地の価格が下落した場合、融資限度額の見直しがされる恐れがあることがデメリットです。
すでに、融資限度額以上の資金を使用していた場合、差額を途中返済しなくてはいけないというリスクがあります。
利用できる物件のエリアに制限がある
リバースモゲージを利用できるエリアに制限がある場合があります。
そのような場合はそもそも利用が不可能というのがデメリットです。
長寿リスク
現在は平均寿命が延び、人生100年時代とも言われています。
長寿になるのは良いことですが、リバースモーゲージで受けた融資額を使い切ってしまう、というリスクもありますので、注意が必要です。
まとめ
今回は、不動産のリバースモゲージについてご紹介しました。
現在、日本人の寿命が延び、高齢者の割合が増えています
それにともない、高齢者の生活に対する不安も高まっているのです。
リバースモゲージは高齢者の不安を解消するための画期的な商品といえるでしょう。
しかし、デメリットやリスクもともないます。
リバースモゲージは、メリット・デメリットをしっかり把握した上で利用するようにしましょう。
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