「第13話」贈与税を払う方が得になる!?②
さて…
今回は第12話を踏まえて。
しっくりこないお客様のために、実際に比較検討してみましょう!
「贈与税はお得な税金?そんなこと信じられる訳ないでしょ!」と冷たい目でこのブログを読んでいらっしゃるそこのお客様!
では実際に実験してみましょう。
まずは論より証拠。
【例えば】
財産を1億円持っているAさんがいます。
そのAさんに相続が起きた場合、相続税は次のように計算されます。
Aさんが亡くなってしまった時の相続税は1,220万円です。
《Aさんがもし生前中に100万円の贈与をしていたとします。》
この場合の贈与税はいくらかという…
110万円までは非課税ですので、もちろん贈与税はかかりません!
そして生前贈与をしたことによって、Aさんの財産は100万円減りました。
もともと1億円持っていたAさんが、100万円の贈与をした後に亡くなった場合、9,900万円の財産に対して相続税が課税されます。
この場合の相続税はいくらかというと…
相続税は1,190万円です。30万円もお得になりました!
ここがポイントです!
生前贈与をすることによって、相続時に課税される税率が最も高い部分から減っていくのです!
Aさんの場合、税率が最も高い部分は30%でした。
つまり…
30%もの相続税が課税される部分が、生前贈与をすることによって100万円分減った…ということなのです。
大雑把にいうと「生前贈与をすると財産が減るので、将来亡くなった時にかかる相続税が減る」ということです。
100万円の生前贈与をしたことによって、将来の相続税が30万円減りました。
一方…支払った贈与税は0円です。
従って100万円の贈与をすることによって、得をした金額は30万円ということになります!
詳しい方なら「当り前じゃないか!」という内容ですが、多少なり生前贈与にメリットがあることは、おわかりいただけたのではないでしょうか。
では…
《続いてAさんが200万円の生前贈与をした場合を考えてみます。》
200万贈与した場合にかかる贈与税は、(200万円―基礎控除額110万円)×10%なので9万円です。
相続税は1,160万円です。60万円もお得になりました!
そこから贈与税9万円を引くと、51万円お得になりました!
《続けてAさんが300万円の贈与した場合を考えてみましょう。》
300万円の贈与をした場合にかかる贈与税は、(300万円―基礎控除額110万円)×10%なので19万円です。
300万円を贈与することによって減少する相続税は90万円(300万円×30%)です。
A. 300万円の贈与をすることによって得をする金額は71万円です。
500万円の贈与をした場合にかかる贈与税は、(500万円―控除額110万円)×15%―控除額10万円なので48.5万円です。
500万円を贈与することによって減少する相続税は150万円(500万×30%)です。
A. 500万円の贈与をすることによって得をする金額は101.5万円です。
1,000万円の贈与をした場合にかかる贈与税は、(1,000万円―控除額110万円)×30%―控除額90万円なので177万円です。
1,000万円の贈与をすることによって減少する相続税は300万円(1000万×30%)です。
A. 1,000万円の贈与をすることによって得をする金額は123万円です。
いかがでしょう?
このように比べてみると、110万円の贈与しかしていないのは、せっかくの減税チャンスをみすみす見逃しているようなものです。
世の中ではなぜ贈与税は高いと言われているのか?
世間では、贈与税はとても高い税金だと思われています。
そのため、贈与税を支払うことに強い抵抗感を示される人が非常に多いのだと思います。
何故このようなことが言われてしまうのでしょう?
実は…
その理由は相続税にあるのです!
さてここで問題です。
大変失礼な話ですが、世の中100人の方が亡くなった時、遺産額が基礎控除を超えている人は、何人いると思いますか?
・・・
・・・
・・・
なんと約8人です!
税制改正で基礎控除が大幅に引き下げられましたが、まだまだ一部の富裕層にかかる税金という位置づけは変わっていません。
相続税は100人中8人にしか課税されないということは、100人中92人に相続税は課税されていないということにもなります!
相続税のかからないお客様からすると、自分が亡くなるまで財産を全て手元においておけば、「1円」も税金を払わずに財産を相続させることができるのです。
今回の表題と相反することをいうようですが、先のことを踏まえると生前中に110万円を超える贈与をして贈与税を払うというのは、非常にもったいないということになるのです。
そう考えれば贈与税はものすごく割高な税金…ということになります。
このことから「日本にお住いの方100人中92人にとって、贈与税はものすごく高い税金」となりますので、一般的に贈与税は高いというのは正しいのです。
しかし、今回の話はどちらを払う方が得か?ということですから、相続税を払わなくてはならないお客様にとって、相続税に比べれば贈与税はとってもお得な税金ということになるのです。
今回紹介した「たくさん贈与税を払ってでも、財産を移転させた方が得になる」という考え方は、消費税の駆け込み需要の考え方と本質的に同じです。
資金に余裕のある方は110万の贈与にこだわる必要はなく、最適な贈与金額で贈与していった方が、結果として大きな節税になります。
「いつか来る相続に備えて今できることは何か?」
弊社ではこのような要素をお客様ごとにお聞かせいただき、どの制度を利用することが一番有利になるか、その「目安」をシミュレーションさせていただきます。
具体的ではないけど、何かが起こる直前で苦労したくない…など、
当社独自のネットワークを活用し、多種多様なニーズをサポートいたします。
まずは下記「お問い合わせフォーム」より、無料相談へお気軽にご相談ください。
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さて、2週にわたってお話ししました「贈与税を払う方が得になる!?」について、何となくご理解いただけましたでしょうか?
ここまで毎週お付き合いいただきましたお客様…本当にありがとうございます。
来週から少しの間、資格試験に向けてこのブログをお休みさせていただきます。